アウトソーシングと自社運用について

このあいだ紹介した「基礎から学ぶ SEの会計知識」から、面白そうな話題があったので紹介してみる。
管理会計の第2部 短期的意思決定の固定費と変動費についてだ。

p209「例題1 ソフトメーカーのA社は、各種サーバーを自社で運用している。
運用チームによれば、サーバー運用コストは1時間あたり100千円。その内訳は以下のようになっている。

 A社はハウジング・サービスを利用して、アウトソーシング会社のデータセンターにサーバーを預けて運用を全面委託することを検討している。アウトソーシング会社は、1時間当たり70千円で請け負うという。今の運用コストより、30千円/時間も安い計算だ。
データセンターでのハウジング・サービスを売り用すれば、セキュリティ管理や災害対策など様々なメリットがあるが、ここでは経済的効果の観点だけで考えるものとする。A社はアウトソーシングすべきだろうか」

という話なんだけど、結論からいうとここではアウトソーシングすべきではない、という結論になった。

そのために重要になるのが、固定費と変動費という概念だ。
固定費*というのは資本設備を一定としたときに、生産量の変化に左右されない費用のことで、
変動費というのは資本設備を一定としたときに、生産量とともに変化する費用のことだ。

アウトソーシングをすることでサーバー電力費や派遣社員はカットできるのだが、正社員はクビにしない限り費用がかかるし、サーバーを預けるだけなので減価償却も発生する。また事務費も一般的にその部署があるためにかかっているもので、アウトソースをしてもかかってくるだろう。

といったところから、
固定費:正社員人件費30千円+減価償却費10千円+その他事務費10千円=50千円/時間となり、
変動費:派遣社員人件費45千円+サーバー電力費5千円=50千円となるのである。

アウトソーシングをしても固定費はかかるということを考慮すると、
自社運用を続けた場合の費用は依然として100千円/時間、
アウトソーシングをした場合の費用は70千円+固定費用50千円=120千円/時間となるので、
自社運用をした場合の方が安くすむのである。

そこから、教訓としては固定費が多いほどアウトソーシングしても効果が薄い、ということだそうだ。
配置転換などができる場合にはまた話が変わってくるので、それは後日。

*:固定費と埋没費用は別の概念。埋没費用はどのような意思決定をしても取り戻せないお金のこと。
例えば、資本設備として使用しているコンピュータを買った費用はそれを売っても全額戻ってくるわけではない。

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